開発技術

窒化ポテンシャル制御

「窒化ポテンシャル制御とは」

従来、ガス軟窒化処理は定量ガス導入により雰囲気管理を実施しておりましたが、ガス軟窒化炉に水素センサおよび制御系を追加することによって、炉内雰囲気の窒化ポテンシャル制御が可能になりました。
これにより、化合物層の組成や厚さを任意かつ緻密に制御する事ができ、ガス軟窒化の新たな可能性への道が開けています。

「窒化ポテンシャル制御の一例」

窒化ポテンシャル制御の 1.通常の化合物層写真 2.化合物層レス写真 3.硬さ分布のグラフ を紹介します。


1.通常の化合物層組織写真


2.化合物層レス組織写真

後加工で除去されることもある硬質の化合物質を0にできます。
もちろん拡散層は従来通り形成されるため工数削減が期待できます。


3.硬度分布 例(材質:炭素鋼 T=6.0)

「窒化ポテンシャル制御の特長」

  • 結晶構造の制御が可能(用途に合わせて化合物の構造を制御できます)
  • 化合物層厚さの制御が可能(表面に生成される化合物層の膜厚を制御することができます)
  • 安定した品質(再現性も良いため、安定した品質で処理が可能です)

低温浸炭窒化処理

「低温浸炭窒化処理とは」

低温浸炭窒化は、主に薄板材のプレス部品に対して、低歪み・高硬度化を実現した熱処理です。通常の浸炭窒化よりも低い730~780℃で有効的に炭素と窒素を浸入拡散できる独自の雰囲気制御プロセスを確立したことにより、通常よりも50℃以上低温で浸炭窒化処理を行い、またFe-C系平衡図A1変態点温度以下での焼入れが可能となりました。
これにより、表層部に0.05~0.1mm程度の浅く高硬度なマルテンサイト硬化層を生成します。
ガスまたは塩浴軟窒化処理よりも硬さが高くかつ深い硬化層を得つつも、通常の浸炭窒化よりも大幅に変形・変寸を低減することができます。

「低温浸炭窒化処理の一例」

低温浸炭窒化の 1.組織写真 2.硬さ分布のグラフ を紹介します。


1.組織写真 例(材質:低炭素鋼 T=2.0)


2.硬度分布 例(材質:低炭素鋼 T=2.0)

表層部はマルテンサイト組織が析出され高い硬さを有し、内部0.1mm深さからフェライト組織のままで変態しないため、高度差(急勾配)により、変形が少なくなります。
歪み量は通常の浸炭窒化に比べて低温浸炭窒化は1/3以下に抑えられます。

「低温浸炭窒化処理の特長」

  • 熱ひずみの低減による変形・寸法【変化量】の減少
  • 耐摩耗性・面圧強度の向上 及び 耐かじり性の改善
  • 表面の圧縮により、疲労強度の向上

ボロン鋼ショットピーニング

「ボロン鋼を用いた新しいFPP技術」

動力伝達部品の小型化・軽量化・高出力化にともなって部品の疲労強度向上や高硬度化のニーズがより一層求められています。
弊社では、高硬度のボロン鋼メディアとFPP技術の組み合わせによって、圧縮残留応力-1800MPa以上を付与することに成功しました。

「ボロン鋼FPPがもたらす残留応力と硬度」

ボロン鋼ショットの 1.応力分布のグラフ 2.硬さ分布のグラフ を紹介します。


1.応力分布 例(メディア:ボロン鋼)


2.硬度分布 例(メディア:ボロン鋼)

従来の条件では圧縮残留応力-1400MPa程度が限界でしたが、ボロン鋼メディアを用いてFPP投射条件を最適化することで-1800MPa以上の付与が可能になり、最表面の硬度も向上しました。
さらに投射条件によっては深さ30μmの位置まで高い圧縮残留応力を付与することが可能です。

「表面改質効果」


表面に微小な凹凸(マイクロディンプル)が形成されるので潤滑油が保持されやすくなり、摺動性の向上にも効果があります。

「ボロン鋼ショットピーニングの特長」

  • 疲労強度の向上
  • 応力腐食割れの防止
  • トライボロジー特性の改善
  • 高硬度化
  • 処理時間短縮によるコスト削減 等